だれかさんのぶん

香山美子／作　ひろかわ さえこ／絵

本を見ながらパンを作るぶたのお母さん。こねた生地を丸めて焼こうとしたら、ほんの少し余ってしまいました。本には「それも丸めて”誰かさんの分”に作りましょう」とあります。誰かさんって⁉︎

”だれかさんのぶん”のパンを持って、散歩に出かけたぶたさんたち。”だれかさん”に出会えるかしら。とてもおいしそうにパンをほおばる”だれかさん”の様子に、心が温かくなります。思いやりの心が伝わる香山美子先生の優しいお話に、ひろかわさえこ先生が季節感あふれる絵を描いてくださいました。秋の森で家族みんなでパンを届けにいく姿が心に残る作品です。

【著作者プロフィール】
香山美子
1928年、東京生まれ。『あり子の記』（理論社）により第３回日本児童文学者協会賞受賞。作品に『どうぞのいす』（ひさかたチャイルド）、『おむすびころりん』（鈴木出版）など多数。童謡に「おはなしゆびさん」「バスごっこ」など多数。

ひろかわ さえこ
北海道生まれ。武蔵野美術大学視覚伝達デザイン学科卒業。作品に『あさですよ！』『よるですよ！』（以上、鈴木出版）、「ぷくちゃん」シリーズ（アリス館）、「ちいさなくだものえほん」シリーズ（偕成社）、『わかってるもん』（ハッピーオウル社）など多数。