カエルくんの たんこぶ

宮西達也／作・絵

些細なことでけんかになったあまがえるくんとあかがえるくん。けんかの原因を突き止め、悪いほうを誤らせるというのが定番ですが、この絵本のラストはちょっと違います。けんかのきっかけは風が落としたどんぐりで、原因はすぐに相手のせいにしたあまがえるくんとあかがえるくんの自分勝手な心でした。自分が思うようにいかないことはたくさんあります。しかし、そのたびにけんかをしていたら解決されません。自分を主張することはたいせつですが、相手の言い分を聞くことや周りの状況を冷静に見ることもたいせつです。子どもたちにも、けんかをしても、カエルくんたちのように仲直りしながら成長してほしいものです。

【著作者プロフィール】
■宮西達也（みやにし・たつや）／1956年静岡県生まれ。日本大学芸術学部卒業。作品に『きょうはなんてうんがいいんだろう』『にゃーご』『ちゅーちゅー』（鈴木出版）『おまえうまそうだな』（ポプラ社）『ヘンテコリンおじさん』（講談社）『ふじさんファミリー』（金の星社）んど多数。